この投稿は美瑛の観光客についてまとめたものです。
あらすじ
12月に上川振興局が公表した2019年度上期の観光統計。4月―9月(夏型)の宿泊客延数の市場トレンドは勝ち組と負け組に2極化した。美瑛は2015年から下落トレンドに入った可能性が高い。また、層雲峡の衰退は将来の白金温泉、富良野の衰退は将来の美瑛のペンション群の脅威を示唆している。
統計の概要
上川振興局が2019年12月に公開した「 2019年度上期 上川管内観光入込客数調査報告書 」を抜粋した概要は図1のとおり。この統計は4月―9月(夏型)の観光の動向を示すため、夏型観光の美瑛は、年間の統計がでる8月を待たずに2019年度(H31,R1)の傾向を把握することができる。
報告書に「主な増減要因」として各市町村が記載したページがあり、美瑛はつぎのように記している。
残念ながらこの分析はつぎの理由から掘り下げが足りないと考える。「
減少した宿泊客延数について言及していない。 -統計が示す4月―9月(夏型)の宿泊客延数でみれば、美瑛は下降トレンドに入った可能性が高い。※この投稿はこの点について詳しく分析する。
「外国人宿泊客の減少は国際情勢などの煽り」としたのは間違い。 ー主要国すべての客足が減ったという事実がある。 ※外国人の動向の詳細は、次回のブログで紹介する。
宿泊客~2015年を境に、勝ち組と負け組に2極化
今回と過去のデータを合わせた図1、図2、図3、図4により、次の結論がえられる。美瑛の観光戦略を考えるひとはこの事実をスルーせず向き合ってほしい。
4月―9月(夏型)の宿泊客延数に関して、市場は2015年を境に勝ち組と負け組に2極化した。
美瑛は負け組に入っている・・少なくとも勝ち組ではない。
美瑛の宿泊客数は2015年から下落トレンドに入った可能性が高い・・少なくとも上昇の気配はない。
<参考>2018-2019年、一年の変化
上の図4を、2018-2019年の1年間について表示したものが図5となる。
占冠村、旭川、美瑛、上川はトレンドに沿っている。富良野市が持ちこたえ、名寄市が減っているが、一時的かトレンドか判らない。
まとめ
統計データは、前年とパーセント比較するだけでは重要な情報はほとんどつかめない。増えた分はどこで減った分はどこか、3-5年の中期トレンドが転換したかと近寄って初めて課題が見えてくる。
宿泊観光における占冠村と旭川の強さは、民間資本による投資とプロモーションがリゾートや都市型観光の新しいトレンドをつくり、観光客に受け入れられたと考えられる。
上川の層雲峡の衰退は白金温泉にとってこれからの脅威、富良野の衰退は美瑛のペンション群にとってこれからの脅威を示唆している。
美瑛の宿泊観光を伸ばしていくと安易に発言する向きもある。投資も含め弱者の戦略があってのことか考えなければならない。
戦略の鉄則の「強みを活かす」なら、宿泊にこだわらず青い池を目指して集まる250万人の観光客にお金を落としてもらうこと、そのための動線づくりと受皿つくりに戦略と投資を結集すべきだが・・・
※外国人の動向の詳細は、次回のブログで紹介します。
Noriaki Gentsu @NorthQuest
◆起業や地域の問題解決を目指す若者にむけ、「北の若者塾」を始めました。 https://www.blog1.northquest.net/
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