あらすじ
新型コロナウイルスの第一波が終息したいま、6月町議会に期待することがある。この危機をどう生き残るか、この1~2年をどう見通すか?・・行政と議会は「支援策第3弾」に終始することなく、現場の数字をもとに冷静に合意形成し、New Normalに向けた一歩先、二歩先の大局の議論もして欲しい。
(今回のテーマ)
ー観光業の打撃を数字で考える
ー今後の生き残りを数字で考える
ーアフターコロナの産業構造と戦略を考える
観光業の打撃を数字で考える
6月議会では、「美瑛町の支援策第2弾」の申請状況を踏まえ、夏場の最盛期から来年のさらなる影響を把握したうえで、支援策および財源について話し合うべきだ。
観光客のデータが図1~図3のグラフであるとき、ある事業者の売上高の構成が図4とすれば、事業者の受ける経営の影響は、いくつかのパターンがあるだろう。
まず夏場が厳しい。また外国人に依存した事業者は来年まで影響を受ける。地元客の比率が多ければ、回復が早まる。
よってこんごは、一律の支援策から、個別の事業者の経営に合わせた支援策に変える必要があるだろう。そのために、商工会・観光協会などの外郭団体と商工観光交流課が足で情報を稼がないといけない。議員も「支援を」と言うだけでなく、実態をつぶさに踏まえた議論にして欲しい。
今後の生き残りを数字で考える
行政と議会、および関連の外郭団体は、数年かけてこの難局を切り抜けるという意識で大局の議論をして欲しい。
報道では各国とも国内の観光の立直しから始めるようだ。ワクチンが開発され、人工的な集団免疫が完成するのに世界的に数年かかる。日本でも今年はインバウンドは戻らない、来年のオリンピックは中止と見る向きが多い。
そう考えると、下の図4で観光客の戻りの順番は(道内観光客)→(国内観光客)→(海外観光客)と考えるのが自然だ
ならば、新たなターゲット顧客にフォーカスして経営の転換を図る必要があり、商工会や観光協会など外郭団体と商工観光交流課による経営相談などきめ細かいフォローが必要だ
アフターコロナの産業構造を考える
アフターコロナの局面では、不況や生活様式の変化にともない観光客のV字回復が望めないだろう。だから、観光セクターの経済循環(GDP)の落ち込みを新たな産業でカバーする戦略が必要となる。
パンデミックで打撃を受ける産業は下の図5の<宿泊業、飲食サービス業>で、従来の経済規模はつぎのとおり。ここの落ち込みをまず把握しなければならない。
売上高で21.8億円(2016年)
付加価値で8.5億円(2016年)地域GDPに相当
※RESASのデータ分析支援TOPから、分析対象自治体を「北海道」「美瑛町」と指定し、テーマを選択で「第二次産業・第三次産業」を指定する。
※なお小売業については大手チェーン店を分けにくいこと、上の図4の顧客構成で町民の比率が高いと想定されることから、このブログの論点からは除いた。
◆それでどうする?So What?
新しい時代には新しい戦略が必要。次の例も含めいろいろ案を出しながら、新しいものを創造するエネルギーを結集する必要がある。
(ミッション)観光セクターの落ち込みをカバーする
(市場分野)➀儲けは大きいがリスクに弱い観光産業か、②十勝岳爆発、豪雨、地震などのリスクに相対的に強い(レジリエンス)産業か
(顧客)多角化によるリスク分散。外国人なしでも成り立つ→道内・国内客をターゲットにした事業
(強み)外部リスクに強い、自分の強みの農業をリンク
(相乗効果)強みを活かした食品や食文化にシフト。~第2第3の美瑛選果、アスペルジュ、農家カフェ・レストランが並んだ道の駅(マルシェ)など経済を循環させるものはいくらでもある。
◆この戦略を誰が実行するか?
オール美瑛の発想は無責任になるからやめた方がよい。まちづくり新会社はミッションは、アフターコロナのことまで考えてできたわけでないかもしれない。
まとめ
美瑛町がアフターコロナの問題を考えることはすなわち、ハイリスク・ハイリターンの観光産業のほかに、農業と相乗効果をもたせた新たな産業を創り出すことでもある。
新しいものを創造できるかどうかの分かれ目は、いままでそのアイデアができなかった理由を知って切り込めるかどうかにかかっている。
(Noriaki Gentsu @NorthQuest)
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