総合的な判断とよく言われます。メリットとデメリットのある問題を、目的に照らして判断をするアナログ思考です。逆に、メリットだけあるいはデメリットの点だけをみて結論を出す、短絡的なデジタル思考もあります。今日は、近ごろ体験した事例をひとつ。
12月10日(土)議会主催の後援会・意見交換会に参加したときのこと。
住民自治についての江藤先生の講演のあと、参加者がグループに分かれ12月議会に上程される自治基本条例(案)について意見交換しました。
わたしは町民5人議員4人のグループでしたが、町民の意見を聞くとはほど遠く、おふたりの議員の条例案に否定的な持論を聞くことになり驚きました。
その後、令和4年第7回定例会(12月15日)に条例案が上程され、このお二人が10日と同じ趣旨で総括質問され、条例制定に反対の姿勢がはっきりしてきました。
そしてこれが議会の雰囲気をあらわしているなら困ったことになると不安になりました。なんのために自治基本条例の後援会を催したのかと・・
議員Nさんの主張の要旨
この自治基本条例案を知っている町民はほとんどいない。
町民コメントも2件しかない。
町民主体のまちづくりを進める意義は認めるが、公約だからといって慌ててやるのでは実効性も疑われる。
だから、町はこの案を取り下げるべきではないか。
感想
多くの関係者が2年かけて作った案を、中身の議論の前に取り下げよとは!?
町民への公約を守ることは議員も首長も互いに尊重したらいい。
議案を入り口で拒む権限があるのだろうか?審議して町民のためなら可決、問題あれば修正し可決、それでも町民のためにならないなら重大な決意で否決と、議会は幅広い権限を持っていると思います。
議員Aさんの主張の要旨
公約を守ることを優先し、様々な町民と議論を深められていない点が問題だ。
現状の「住み良いまち美瑛をみんなでつくる条例」で十分だ。
道議会の議事を引き合いに、住民投票の条項は不要で、議会と首長の二元代表制のまちづくりを行うべきだ。
感想
論点はハッキリ、だからこの議案をどうしたいのかよくわかりませんでした。
町民への公約を守ることは議員も首長も互いに尊重したらいい。仮に町民との議論のために先送りしたら、公約を守らなかったと不毛の議論になるでしょう。
現行の「住み良いまち美瑛をみんなでつくる条例」も20年経つが、知っている町民はほとんどいません。町民の権利、町民と議会と行政の関係も定めていません。
そういった状況で、町民に今より進歩した条例をまず定め、町民ー議会ー行政でじっくり育てていくほうがまちの利益ではないでしょうか?
住民投票は、地方自治法の住民投票の規定そのままです。議会と首長の意見が割れて二元代表制が機能しないとき、町民にとっての安全弁です。二元代表制で十分と言い切れないのです。
まとめ
議会で、町民は、町民はと引き合いに出すほど、政治信条の色彩を帯びた荒っぽい話になり、町民の利益とかけ離れていくと思いました。町民は1か0かのデジタルでなく、アナログで総合的な判断を議員に託していると思います。
人口9000人の小さなまちなら、町民と議会と行政の関係は、形式ばらずもっと柔軟に町民の利益を考えられないものか。2年のプロセスのなか、議員も町民とのパイプを活かして意見を拾い上げられたはず・・・
3月議会での条例の審議と選挙公約のなかで各議員が、町民と議会と行政の協働による新しい町政のカタチをどう考えるか注目したいと思います。
2023-1-28 Noriaki Gentsu @ NorthQuest
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